左と右の評価軸

メモ的に。

  • 経済政策(政府による経済統制−自由放任の市場経済
  • 憲法上の諸権利(人権最優先−公共の福祉重視)
  • 天皇のあり方(天皇制廃止−戦前への回帰)
  • 国際関係一般(「理想主義」−「現実主義」)
  • 憲法九条と自衛隊(軍備の完全廃棄−自衛隊の自立した「軍隊」化)
  • 自衛隊海外派遣(反対・撤退−武力行使も含めた積極的参加)
  • 対中政策(盲従−強硬)
  • 対米政策(強硬−盲従)
  • 北朝鮮政策(親北−反北)
  • 日韓基本条約(再協議・再賠償−その必要なし)
  • 首相靖国参拝(反対−賛成)

左翼と右翼(あるいはリベラル・コンサバ)ってなかなか定義しにくいものがありますが、上記のような評価軸が考えられるのではないでしょうか。議論のレベルが違っているものも併記してあって、いい加減ですけど。評価軸の両端も詰まっていませんが。そもそもの言葉の定義に争いがあり、事実認識と評価が複雑に絡み合っていて、必ずしも直線の評価軸で表せないもの・単純に書くと大変な誤解を招きかねないものは外してあります(いわゆる「日韓併合」、「強制連行」、「従軍慰安婦」、「南京大虐殺」等)。まぁ対中政策にしろ対米政策にしろ是々非々な部分は大きいのですが。もちろん、多くの人は両極に位置せず、中間派あるいは無関心層です。……国内問題の対立軸あんまり思い浮かばなかったなぁ。
注意すべきは、このどれか一つについて左または右の立場をとるからと言って、必ずしも我々が漠然とイメージする「左右」に当てはまるわけではない、ということです。例えば、戦前の国家総動員態勢は一般には「右」というイメージですが、政府が積極的に経済を統制するという意味では、「左」の共産主義社会主義と同様です。また、「右」の中には反米的立場をとる人もいますが、米国との関係を強化すべしという人もいます。「右」の中には、現在の靖国の有り様は間違っており、首相の参拝には問題があると主張する人もいます。「左」の中にも、かつては「親中」と「親ソ」では争いがあったでしょう。
また、ある評価軸と別の評価軸の関係は、単なる相関かもしれないし、因果関係かもしれません。因果関係の方向もわかりません。国際関係については理想主義をとるから、自衛隊はいらないと考えるのか、軍隊はどうしても持ちたくないから、理想主義を主張するのか。アメリカや中国の属国みたいになるのがいいと考えるから自衛隊はいらないのか、軍隊はどうしても持ちたくないからアメリカか中国の傘の下で生きていこうと考えるのか。
となるとどこに相関の「核」があるのかということになりますが、ぱっと見でははっきりしたことは言えません。
これらについて意識調査して、相関なんかを分析した研究とかないものでしょうか。個人的には、「左」の人はある程度共通の要素があるけど、「右」はばらけているような気がします。例えば、国際関係については現実主義的な考えを持ち、反米であって、自衛隊の自立した軍隊化を望む、とか。これらの項目と、その他一般的な意識調査(「性善説」と「性悪説」とか)を組み合わせて分析すると、おもしろい結果が出るかもしれません。