イラク邦人誘拐事件、議論の整理

(以下ははてな引っ越し中に書いたものではあるが、今後の議論のために掲載しておく。)
イラク日本人拉致まとめの「撤退賛成派」「反対派」の分類に混乱が見られる。
今回の事件に対応する形での撤退には反対としつつ、根元的には撤退すべきとする「民主党的見解」が「撤退賛成派」の意見に分類されている。
私は、今回の人質事件を受けての撤退の賛否と、根本的な自衛隊イラク派遣の賛否は分けて考えるべきだと考える。
自衛隊イラク派遣についてはいろいろな考えがあろう。私は派遣に賛成しているが、もちろん反対を有力な根拠を持って主張する人もいるし、様々だ。最終的に、議論を経て自衛隊が撤退するのもありだろう。しかし、この人質事件を受けての撤退は絶対に行ってはならない。それはテロに屈することになるからだ。
私が金曜日の更新でわざわざ「ここで注意すべきは、「屈する」というのは「屈した」と世論・国際社会・テロリストが受け止めるような状況を現出することをいう」と書いたのは、ここのところを区別しておきたかったからだ。議論の結果自衛隊が撤退するなら、それはそれで一つの判断だろう。しかし、テロに屈する形での撤退は取り得ない選択である。
二つの撤退を分けて議論しなければ、混乱するだけだ。重要な前提だ。