ハルヒ、小説「憂鬱」のセリフで。

ネタバレ。





















「じゃあさあ、たとえ話なんだけれど、現状を維持するままではジリ貧になることは解ってるんだけど、どうすれば良い方向に向かうことが出来るのか解らないとき。あなたならどうする?」

「なんだそりゃ、日本の経済の話か?」

俺の質問返しを朝倉は変わらない笑顔で無視した。

「とりあえず何でもいいから変えてみようと思うんじゃない?どうせ今のままでは何も変わらないんだし」

谷川流涼宮ハルヒの憂鬱』p181-182

時代だなあ。
この小説は2003年2月発表のスニーカー大賞受賞作。今年の角川スニーカー大賞の締め切りは昨年10月1日。発表が今年4月末予定となっていることから、仮に第8回大賞のスケジュールが2か月前倒しだったとして、当時の締め切りは2002年8月。と言うことは、上記引用文が書かれたのはそれ以前と想定できる。
2002年。小泉政権発足から1年。財政・金融運営を巡り竹中大臣の評判が良かったり悪かったり大変だった頃か。新語・流行語大賞には「貸し剥がし」「ムネオハウス」「拉致」が並ぶ。
確かにそのころ、「どうすれば良い方向に向かうのか解らないけど、とりあえず何でもいいから変えてみよう」が日本経済を的確に表していたような気がする。
今やなんだか知らないけど好景気らしいよ。時代だなあ。