中央省庁への就職活動について

はてなダイアリークラブに「就職活動日記」というのがあって、楽しく読ませてもらった。
霞が関の中央省庁に勤めるにも、就職活動をしなければならない(国家公務員試験に合格することが必須条件だけど)。基本的には「官庁訪問」がそれに当たるが、それ以前から「説明会」が各所で行われている。
官庁訪問については、地方の学生が不利である。なんせ友人も少ない見知らぬ土地で何日も、しかも緊張を強いられながら過ごさなければならない。出費もバカにならない。それにとにかく情報が少ない。東大や京大にいればいやでも友人経由で公務員試験の情報が入ってくるが、地方の学生はなかなかそうも行かないだろう。結果2ちゃんねる等の不完全な情報に振り回されることになる。
今後ぼちぼちと、霞が関への就職活動について書いていきたい(なお、これも気分で始めるシリーズなので挫折・放置・忘却の可能性が大きい(笑))。まだ役人経験数年の私がこんなことを書くのも僭越だが、ごく個人的な体験談ということで。なおことわりない場合、国家公務員のうち一種事務官のケースである。
まず、官僚に必要な資質について。よく官庁訪問で、「環境に興味があるんです」とか「知的財産権が云々」といって、その分野のことしか知らない学生がいる。しかしこれは致命的である。なぜなら、役人になってしまえばそんなこと関係なくいろんな部署で仕事をしなければならないからだ。知的財産権を求めて経産省総務省文科省に行っても、それらの役所では知的財産を扱わない部署の方が多い。そして知的財産と関係ない仕事をする時間の方が多くなるだろう。
逆に、環境省でなければ環境問題に取り組めないかというと、そうではない。外務省だって経済協力における環境問題ということで関係がある。国土交通省ではその業務の全般にわたって今や環境を考えないで政策立案はできないし、環境汚染企業に対し影響力のあるのは経産省だ。
また、例えば環境問題を扱うにしても、幅広い知見と柔軟な構想力が問われる。環境ばかりがこの世のすべてではない。火力発電所がなければ電力が足りない。排ガスを出す自動車がなくては生きていけない。谷を埋め森を切り開き川に橋を架けて道路を造らなければ効率的な経済が実現できない。経済とのバランスを取りながらいかに環境問題に対処するのかが問題なのだ。
とにかく、興味を広く持つこと。役人になってからも大事だし(もっとも勤めてからそれを実行しているかといわれると、内心忸怩たる思いである)、官庁訪問の時も話題に困らない。
その意味で、学生諸君、日経を読むのは必須である(まぁ朝日とは違った意味で偏った新聞だけど)。朝日や読売では全く足りない。今時就職活動で日経を読んでいない人はいないと思うが、隅から隅まで読んでいるか。日経を普段読んでいる人なら共感していただけるかもしれないが、思うに「日経勘」というものがある。日経を本当に隅から隅まで読んでいたら、何時間もかかる。しかし、続けて読んでいると、あの膨大な紙面の中に、ポイントが見えてくるのだ。捨てるポイントがわからないと、日経購読は挫折する。そしてこの勘は簡単には身に付かない。就職活動を始めてから読んだのでは遅い。まさに普段から読むのだ。
もちろん日経だけではない。本を読むことも大事。テレビを見ることも大事。興味を広く持って、いろんなことをつなげて考え、その考えをまとめて表現できること。役人の大事な資質である。
なお、時事ネタをblogで批評するというのもありかと思った。
(追記)id:daidoziさま、なるべく忘却しないようにします(笑)