被害者として思うこと−毎日新聞社長の記事

 今回、初めて犯罪の被害者となり、被害者の立場のつらさ、人権の重さを、文字通り身にしみて感じております。現在、弊社にはこの事件に関してさまざまな取材申し込みが来ております。中には、あえて申しましょう、一部の週刊誌は、興味本位に私の人権や名誉を顧みない内容の問い合わせをしてきています。それがそのまま記事として公表されるかどうかはわかりませんが、同じ報道に携わる者として悲しい限りです。

 ここで「報道の自由」について論議するつもりはありません。しかし、「報道の自由」を振りかざすことによって、今回のような事件が起きた時、被害者が警察への届け出をちゅうちょしたり、いわゆる「報道被害」を受け、結果として犯人の狙いを補完してしまうことがあり得るのです。私がこのたびの事件から体得した貴重な教訓であり、今後の毎日新聞の報道のあり方に生かしていかなければならないと考えています。

記録しますた。しっかりやってください。