外務省、IT広報に力を入れる

外務省はホームページ(HP)を通じた情報発信力を強化するため、25日に「IT(情報技術)広報室」を新設する。民間からIT分野の専門家をトップに招聘(しょうへい)。同室がインターネットによる広報を一元管理し、HPをタイムリーな内容に改め、「有力な外交手段」(幹部)に再生させたい考えだ。

これはいい取組。
ネット上には外務省批判を含め、外交に関わりのある記述が多数されていて、おそらく一般のテレビや新聞よりも濃い議論がなされていることがらもある。それがいわゆる「ネット右翼」と呼ばれている人々だけど、これに関しては既にネット上に詳細な議論があるのでここでは深くはつっこまない。簡単に指摘するなら、1.従来の「サヨク」マスコミが全く報じてこなかったような諸外国の様子や、なにより日本国内での実態がネットで大量に流れ、普通に考えて「これはおかしいのでは」と疑問を持つ人々が増えてきたこと、2.従来から「ウヨク的」な考えを持つ人はそれなりの数いたが、声を上げる手段がなかったところ、ネットという文明の利器によってそれが可能になったため可視的になった、というところではないか。
このような「ネット世論」の力がどれほどのものかはまだ未知数。各地への「電突」も行われているが、「世論のうねり」というほどにはなっていない。しかし、「世論」におけるネットの影響力は強まりこそすれ弱まることはない。その点で、外務省の取組にはがんばってもらいたいものだ。記者発表したこと・記者会見の概要を即座に掲載することだけでも意味がある。というかあれだ、とにかく基本的資料をがんがんのっけてほしいものだね。
と、人ごとのように(人ごとだけど)思った。


それはそれとして、役所が世論に介入することには一抹の不安が拭いきれない面もある。いやもちろん決まってしまったことをいかに効率的に伝達するかというのは重要な課題であって、例えば男女同権とか、DV防止・避難とか、省エネとか、防災とか、そういう広報がしっかり成功しているかどうかというのはよくよく研究して見直していかなければならないだろう。ただ、決まっていないことをめぐる広報はどうか。
つい先日も、郵政法案の余波で、郵政民営化準備室へ民間調査会社かなにかから提出されたという広報の企画書が暴露されていた。そこには「IQ」によってターゲットを分け、低IQの層に集中的にアピールするような戦術が記載されていたという。これは戦術としてはおそらく正しいのだろう。IQなんていう訳のわからないもの、しかもみんながなんとなくわかっているもの(IQ180の天才少年!)をばっちり書いてしまったところが問題をややこしくしたわけであって、例えばこれが「政治的意識」とか「政治的知識」いうのだったら問題ないような。
岡田斗司夫がかつて「洗脳社会」を説いたのとは微妙に違う理由で既に現代は洗脳社会だが、その中で裸で突っ立っている一般市民、洗脳競争に参入しようとする役所。なんか違和感漂うよねえ。