錯覚

いや久しぶりにモニタの前で茶を吹きそうになりました。

全国で三菱車の車両火災が後を絶たない。三菱自動車と、三菱ふそうトラック・バス両社の把握分だけでも、先月15日からの半月で発生件数は10件。うち1件は、リコール届け出を検討している欠陥が出火原因とされる。 

しかし、大半は欠陥そのものとは無関係とみられ、三菱側では、「欠陥車は燃える」というイメージの“火消し”に躍起。ユーザーの不信感は根強く、欠陥隠し問題の悪影響はなかなか消えそうにない。

記事はこの後、車両火災の原因はいくつもあること、統計的に見るならば一メーカーあたり年間600台が燃えており、一日一台三菱車の車両火災があってもおかしくないことを指摘。もうご指摘のとおりで。
しかし、肝心な話が抜けています。マスコミが報道するから三菱車の火災が多いように感じる、ただそれだけです。去年と今年何が変わったかと言えばマスコミが三菱車(だけ)の火災を詳細にカバーするようになったこと。去年も一昨年も同じぐらい事故が起きているのに、しかもリコール前だからもっと多くの事故が(確率的には)起きているのに、全くそれを報じてこなかった。そういうことに対してこの記事は全く触れておらず、国交省の弁を借りて「三菱の信用が失墜したからだ」と言わせる始末。なんだかなぁ。
んで茶を吹きそうになったのは上の記事じゃなく、今日の記事。

8日午前8時40分ごろ、大阪市大正区小林西の府道で、信号待ちをしていた同区の運送会社「清晃陸運」の2トントラック=大宮幸男運転手(56)=のエンジン付近から煙が出ているのに大宮さんが気付き、消火器で消し止めた。けが人はなかった。 

大正署の調べによると、トラックは三菱ふそうトラック・バス社製で1997年製造の「キャンター」。エンジンキー差し込み口の不具合でモーターが回転したままになり、エンジン部が過熱する恐れがあるとして、2002年3月にリコールの届け出があった車種。 

三菱ふそうトラック・バスによると、清晃陸運のトラックは同年4月に改修を終えていたという。

おいおい、「車両火災の大半は欠陥とは無関係」とか書きつつ、舌の根も乾かぬうちにこれですか。欠陥とこの「煙」の因果関係は全く不明なのに、あたかも「欠陥を修理してもまだ燃える三菱車」という印象を与えようとしてますよ。これぐらいの事故で記事になるんだったら、ちゃんと他社の車の事象も記事にすべき。
とまぁそんなことを言ってもしょうがないので、せいぜい我々は「マスコミなんてこんなもんだ」ぐらいに思っておきましょう。