政治家と官僚との関係

id:flapjack:20040428からの議論。
えーリクエストをいただいておりましたが、私がゴールデンウィークですっかり遊びほうけている間に議論がものすごい勢いで進んでいます。ぐへぇ。昨年の11月の議論に続き、すっかり置いて行かれました。とりあえずの見解。
さて、発端となった河野太郎自民党環境部会長と環境省とのやりとり、なかなか面白く読みました。一見して、これはbewaadさんが既に指摘しておられるように「環境省の対応がテクニカルに稚拙」以外の何者でもないような気がします。当該環境部会のロジ(会議セッティング等の段取り)がどうなっていたのか知りませんが、月曜日に河野部会長案が出てくるまでにそれなりの時間があったはず。そもそも河野代議士が環境部会長についてからそれなりの時間が経っていると思うので、その間の環境省の対応に非常に問題があって、今回の件で河野代議士の不満が噴出したのではないか。そう思います。
河野代議士の方に問題がなかったかといえば、自民党の党内調整もやりきれないような案を出したという問題点も指摘されています。河野代議士がどれぐらい環境問題に入れ込んでいるのかは分かりません。彼はこの連休中ワシントンに飛んでアメリカ政府高官と日米地位協定改定等について会談したようですし、「スタンドプレイ」のひとことで片づけられないぐらい本気なのかもしれません。ただ、自民党内や、自民党霞が関の間には意思決定に関する有形無形のルールがある。そういうルールを乗り越える形で物事を運ぼうと思ったら軋轢は大きいし、現に党内有力者によってその「ルール」の枠内に押し戻されました。これが自民党政治という奴なのでしょう。
(ルールは55年体制下、96年以降の自民党連立政権下で形成され、それに一定の合理性があるから今も維持されています(パレート最適、とでもいうべきか)。だから単純に「ルールを変えろ」「ルールを壊せ」とも言い切れない。ただ、本格的な政権交代によってこのルールは確実に変わると思います。)
今回の河野代議士の件は、ルールをめぐって日々繰り返される軋轢が表に出た、ということだと思います。なぜ出たかというならば前述のとおり「環境省の稚拙さ」によるものでしょう。ただ、紛争の舞台に上がらなければルールの変更は不可能です。この紛争がルール変更に至るのか、それとも河野代議士が折れて終わるのか。注目したいと思います。河野代議士がこの勢いを維持しつつ当選回数を重ねることができるのか、それとも自民党システムの有力な担い手になっていくのか。「正しいことをしたければ偉くなれ」という和久さんの台詞の二律背反を見る思いです。