イラク邦人誘拐の件

こんなに明確に自衛隊撤退を要求されたら、撤退できるわけがない。もうちょっと微妙な形で要求が来れば考慮の範囲内だったかもしれないが…。
日本はかつて、「超法規的措置」でテロに屈し、国際社会から非難を浴びた経験がある。そのとき「人命は地球よりも重い」という国内向けスローガンを発した福田赳夫総理(当時)は小泉総理の師匠筋。そのときの福田の決断を小泉総理がどれぐらいそばで見ていたか知らないが、当然それを踏まえた対応になるだろう。
テロに屈することは絶対にできない。屈することはあり得ない(ここで注意すべきは、「屈する」というのは「屈した」と世論・国際社会・テロリストが受け止めるような状況を現出することをいう)。政府にできるのは、救出を米国にお願いすること、犯行グループに解放を要求し続けること、あとは祈ることぐらいか。しかしイラク国内は現在ご存じのとおりの状況で、米軍がすぐすぐ動いてくれるかどうか分からない。こういうときに自衛隊が救出作戦を展開できればまだ救いはあるのだが…、そういう海外での武力行使は朝日とかが反対してましたな。
捕まった三人は、イラクが大変危険な場所であることを十分承知してイラク入りしたわけであって、その結果については自分で責任を取るべきである。卑近な例で恐縮だが、この事件の結末がどうなろうとも、その収束までに少なく見積もっても数億円の経費を要するだろう。それだけの損害を、少なくとも直接的に国・国民に与えていることを、三人は自覚すべきである。
(これがもし壮大な釣りだと判明したら、そのときに驚こう。実は犯行グループの目的が身代金で、密かに裏で取引していたりしたらそのときも驚こう。)