霞が関牛丼戦争

トップ絵がナイスなやえちゃんのところで「牛丼中毒」の話が。
霞が関は銀座と赤坂・六本木の中間に位置し、どちらかまで出ていけば山ほど飲食店がある。また、近場の虎ノ門近辺や省内にも食堂はあるから、まぁ充実していると言っていいだろう。しかし、ただ一つの例外が吉野家であった。
霞が関には長らく吉野家がなかった。一番近い吉野家は新橋駅の東。地下鉄の霞ヶ関駅から歩いたら15分〜25分ぐらいかかる。280円の牛丼を食いに地下鉄で行くのもあほらしいし、それぐらい移動に時間をかけるぐらいなら銀座か六本木でうまい飯食おうと、まぁこういうことでなかなか吉野家に行く機会がない。ちなみに吉野家以外でもっとも近場の牛丼屋は「神戸らんぷ亭」であった。
ところが、一昨年から、霞が関の牛丼難民に対する救済策が相次いで実行された。すなわち、すき家の開店、そして吉野家の開店である!
中でも吉野家の開店は霞が関中の吉野家フリークを熱狂させた。「夢にまで見た大盛りネギダクギョクが毎日楽しめる!」 銀座線虎ノ門駅のほど近くにオープンした吉野家は、ほどなく官僚や付近の会社員で埋め尽くされた。なんせ普段から殺伐とした仕事をしている官僚が行くので、虎ノ門吉野家は日本一殺伐とした店舗であると言っていいだろう。昼休みともなれば常に行列は外まではみだし、まさに「刺すか刺されるか」である。
こうしてようやく安住の地にたどり着いた吉野家中毒官僚。ところがその牛丼も販売停止である。なお悪いことに遠くまで歩いていけば他の牛丼屋があるわけでもない。なんせどこも販売停止だ。禁断症状に狂った官僚が何を始めるか、わかったものではない。現に農水省の一部若手官僚は「農水省牛丼等安定供給確保推進本部」なる地下組織を立ち上げ、省内及び厚労省守旧派に対して「おめでてーな」との陰口をたたく等のテロ行為に及んでいる。内閣府国民生活安定緊急措置法の適用を検討し始めた。外務省及び経産省の一部は牛肉輸入停止がWTO協定違反になるのではと考え、アメリカを動かそうと画策したが、今のところ徒労に終わっている。警察庁は松江警察署員をして「「このご時世に“貴重”な牛丼を投げつけるとは…」」と言わせる等、世論操作に躍起だ。
このまま事態が膠着すれば、さらに多くの官僚の反乱を招きかねない。食糧豊富な六本木からさみしい市ヶ谷に移転した防衛庁自衛隊内にも不穏な動きがあると聞く。いまや牛丼の安定供給確保は、国家の平和と安定を確保するための喫緊の課題である。大胆な政治決断によってしか、この危機を脱することは出来ないだろう。今こそ、小泉総理のリーダーシップ発揮が望まれる。
(この日記は、一部フィクションです)