地方分権は進むか。

新宿で中学校からの同級生と飲む。彼は今地元の市役所に勤務。この時期に墓参りもせずなぜ東京にいるかといえば、有明に行くためである。
彼から市役所の内部の面白い話を色々聞いた。まぁ地方や自治体の規模によっても違うのだろうが、やれ自治労が理不尽なことをやっているとか(選挙の時は「勤務時間中から」社民党候補の応援。そしてその応援をやっていた人間が開票をやるという不思議)、昼間っから酒盛りが始まることがあるとか、(どこの役所もそうかもしれないが)日がな一日新聞を読んでしかも若手の3倍ぐらい給料をもらうおっさんとか、ろくな資料が役所内になくて法律の基本書さえも図書館に行かないと調べられないとか。
話が進むうち「地方分権はメリットがあるか」という話に。彼は「今の県や市町村では無理。受け皿にならない」と。例えば何か条例を作るにしろ、ひな形を県が作り、そして県のひな形は総務省が作り、という構図がある。よって結局は国の力に支えられている、という話。
確かに一部の先進的な自治体では意欲的な取り組みが見られるが、(たとえ大合併をしたとしても)多数ある自治体のほとんどは上記のような状態ではないかと推測する。地方分権(これもいう人によって内容が違うので、漠然ととらえられたい)をこのまま何も考えず進めれば、かえって地方自治体の総務省依存を強めることになろう。
 さて、地方自治体の政策立案能力を高めるにはどうしたらよいか。色々意見は出たが、私は若手に期待したい。一番いいのは優秀な首長による上からの大改革・及びそれに下が応えることだろうが、優秀な首長がいないならば優秀な若手が内部から変えることが次善。さて、優秀な若手をどうやってリクルートするか。各県にせっかく国立大学があるんだから(しかも独法化で自由度が高まるのだろうから)、そこで育成していけばよい。田舎では大卒者の就職先といえば有力地銀か電力会社か公務員だ。だったら公務員養成講座を充実させれば、結構いい線いけるのではないか。県と各市町村が負担して維持していけばよい。
 そうやって若手から変えていくのは時間がかかろう。しかしやる必要があると思う。財政再建団体に落ちこぼれた方が早く意識改革・行政改革も進むだろうが、まぁそれは極論。
(……昨今の地方自治体では人口減少と財政悪化によって若手の採用が極端に少ないという問題があるのだが……)