「判例観光」の時代が来る!

内需拡大のため、あるいは外貨獲得のため、観光が大注目!
従来からの自然、歴史遺産、寺社仏閣、遊園地などに限らず、新しい形態の観光が注目されています。工場やダム、高架下などの新しい観光目的物や、木崎湖鷺宮神社などのアニメの舞台にも、多くの人が観光に訪れています。「けいおん!」の舞台にも行きたい!旅行の手段としてではなく、あくまで目的と捉える「鉄子・鉄男」ももう市民権を得たよね?
そこで私は考えた。次の観光はなんだろうと。時代の先を読む政策立案をやりたい役人として、頭をひねったよ!法匪としての時代の読みはこれだ!
ズバリ、「判例観光」!日本のすばらしい司法制度が明治以来積み重ねてきた判例の、その舞台を観光するんだ!単なる観光ではなく、司法制度が歩んできた道のりと、その法解釈、社会の発展を併せて考える、極めて新しい観光だ!
試しにモデルケースを想定してみたよ!


やっぱり基本!憲法観光!

憲法といえば、日本の法制度の根幹だね。憲法なくして法律なし!憲法を学ぶのは意義深いね!
そこで私がお薦めする観光地は北海道の長沼町。長沼ナイキ事件として有名だよね。一審の札幌地裁では違憲判決が出たよ!二審札幌高裁では、「統治行為論」も書かれたよ!
雄大な北海道の大地をながめながら、雄大憲法判例に思いをはせる。いかにも雄大な観光だね!
近くの恵庭市も、恵庭事件で有名だね!併せて訪れる観光コースもいいかも!
どっちも行ったことないけど。


身近だね!民法観光!

憲法はなかなか高尚すぎるという方には、民法観光がお薦め。僕たちみんなの生活のいろいろな局面で顔を出す民法だから、もっと多くの人が興味を持ってくれるかも。
民法観光なら、塩釜市がお薦め。みんな知ってる塩釜レール入事件の舞台だよ!大正ロマンと大豆取引の危なさが漂うスペクタクルな観光だね。契約と民法と慣習の複雑怪奇なとっくみあいをぜひ楽しみたい。「これがレール入のレールかぁ。ところで『入』ってどういう意味?」
ところで詳細はわすれちゃったよ。教えてエロいひと!
行ったことないけど。


今年は注目!刑法観光!

いよいよ裁判員制度スタート!今年は刑事事件がトレンドになりそう。いつ裁判員になるか分からないし、ぜひとも刑事事件について知見を深めたいよね!
刑事事件ならこれだ!英国騎士道事件!え?イギリスまで行く暇も金もない?ちがうちがう、千葉の事件だよ。千葉のどこかは知らないけど。
男女の痴情のもつれ、すれ違う思惑、炸裂する騎士道精神(空手道?)。めくるめく正当防衛と過剰防衛。悲しい勘違いの結末を、あなたは目撃する!
行ったことないけど。


…とまあこんな風に、判例観光の候補地はいっぱいあるね。ぜひ旅行会社は定額給付金セールの一環に加えてみるといいと思うよ!
観光庁判例観光地のソフト・ハードの整備に補助金を出すといいと思うよ!
あと、有斐閣判例観光百選とか出すといいと思うよ!