政府の情報開示姿勢に絶望した!

今日は毒入り事故米の370社だか380社だかの発表の日。だがなんつーか、あれだ。微妙だ。
新聞のwebサイトで、「リストが公表された」と流れ始めたのが午後二時頃か。で、農水省のサイトに行こうとすると、みなさん同じことを考えているのか、激重。しばらく待って見てみても、本件に絡む情報がない。
読売の記事を見ると、内閣府が発表したと書いてある。

これで不正転用が判明した業者は4社になった。三笠フーズが転売した事故米の仲介・販売などにかかわった業者は現時点で24都府県の約380社にのぼることも判明し、内閣府が全社の社名を公表した。

で、内閣府のサイトに行くと…載っていない!
食品安全委員会かと思って見てみると…ここでも載っていない!ひょっとしてこれは重要案件だから官邸かと思って官邸のサイトを見ても、載っていない。本稿執筆時点(17日午前零時過ぎ)においても、私が探した限り、政府関連機関のサイトにはこのリストが載っていない。一体どういうことだ!


推測するに、

  1. 農水省が発表しようとしていたが、午前の段階で総理指示がでて、内閣府(食品安全サイド)で公表することとしたため、段取りが狂った。
  2. 役所によくありがちな、プレスリリースは翌日サイトに反映させるというルーチンに従った。

ということではなかろうか。

農水省は当初、相手先の了解が得られた場合のみ業者名を公表してきた。しかし、「業界寄り」との批判を招いたことから実名での公表に切り替えた。福田首相は16日午前、野田・消費者行政担当相に「消費者庁の先行的な実施だ。司令塔としてやってもらいたい」と指示。これを受け、実名公表の記者会見は、農水省厚生労働省内閣府の合同で開かれた。


もうこれは「お役所仕事」と批判されても仕方がない。問題点が大きくは二つある。
第一に、これだけ国民的関心を集めている問題なのに、即座に国民に知らせることを怠ったこと。自分や家族が食べているのは大丈夫なのかという関心の他にも、例えばうちが仕入れている米は大丈夫かとか、うちの取引先は大丈夫かとか、商売上の関心もあると思う。これらの関心に応える情報開示ではなかった。結局国民が情報を知るためには、夕方頃になって新聞社のwebサイトに載るリストを待たなければならなかった。というか毎日に載っていたはずなのに今は見つからんぞ…。
プレスリリースは、とりあえず紙で記者クラブに投げておけばいい、というかいつもそうしているんだから今回もそうするという行動様式だったのではないか。あまりにもセンスが悪い。(これは内閣府が主には悪いような気がする。)
第二に、今出回っているリストが、本当に農水省が調査して公表したものかどうかが確認できないこと。仮に悪意ある者が捏造して作ったリストが出回ったらどうする。公式の情報がなく、かつ関心を持っている人が非常に多い状況では、捏造リストが広く伝播する可能性が高かったのではないか。
今日は東証が総崩れだったから気にならないものの、相場が普通の状況において、捏造リストが出回ったら…。


今日の午前中に総理指示が出たという報道が正しければ、一義的には内閣府のセンスが悪い。だけど、農水省ものんきに大臣談話を発表してる場合じゃないだろう。