対決法案

国会が始まったので、対決法案の話など。
国会には山のような法案が提出されます。閣法(内閣提出法案)だったり衆法(衆議院議員提出法案)だったり参法(参議院議員提出法案)だったり。
議員提出法案はひとまず置くとして、閣法の中で与野党が対立する法案があります。最近では年金法案やイラク特措法案など。これらのことを「対決法案」と呼びます。大変対立します。本会議で質疑が行われ、委員会審議も何十時間も行い、場合によっては国会が空転し、議員が議長室前に座り込んだり、最終的には強行採決したりするあれです。
逆に言うとそれ以外の法案は対立しません。基本的に与野党の見解が一致し、粛々と審議が進んでいきます。どのくらい粛々かというと、本会議で趣旨説明質疑もせず、委員会審議も一回きり(しかも短時間)、そしてまた本会議で粛々と可決されていくのです。衆参あわせて実質審議時間が6時間、なんてこともあります(共産党社民党は反対、ということはよくありますが)。
新聞やテレビで報道されるのは対立法案の話ばかりですので、いかにも年がら年中与野党が激突しているように見えますが(事実役所に入る前までは私もそうだと思っていた)、実のところ対立法案でない法案の方が多い。一度衆参のビデオライブラリーやストリーミングで本会議の模様をご覧になると分かると思いますが、何十という法案が短時間で可決成立していきます。ちょっと拍子抜け。
(追記)当初、レコード輸入権を盛り込んだ著作権法改正法案を対決法案でない法案の例としてあげていましたが、謎工さんのご指摘のとおり、参議院ではしゃんしゃん気味でしたが、衆院ではじっくりと審議がされています。以上の点につき修正いたします。