キーワード中絶天国について。

id:qsaqさんが登録。
qsaqさんの一連の中絶関連のキーワードは非常に興味深く拝見させていただいたが、これはちょっとどうだろうか。二つ問題がある。一つはキーワード内容の中立性・真実性、もう一つは一般的でない名詞のキーワード登録について。
まずキーワードの内容だが、「第二次大戦直後には最大の産業にまで成長」とある。しかし、当時はそもそもその他の産業の基盤がことごとく破壊され衰退したのであって、仮に最大の産業であったとしても、別に「中絶産業」が「成長」したから「最大の産業」になったのではない。また、闇経済が広がりを見せていた時期でもあり、最大の産業とはなかなか言い切れないと思う。それに、直感的に考えるならば、人工妊娠中絶以外の医療行為の方が大きいのではないかとも思う。
さらに、「昭和50年には50%の女性が中絶を経験」とあるが、これは間違いだろう。せいぜい「妊娠した女性のうち50%」ではないだろうか(それ自体も不勉強な私にはちょっと多すぎるような気もするんだけど)。
これらの記述はおそらく「村松博雄」氏の著作からの引用であると思われるが、ちょっとぐぐってみたところではなんとなーく偏った人のような気がする。ある人が著書で述べているだけの見解を無批判にキーワードにしていいものだろうか。
「中絶」の議論は非常に政治的で、紛糾しやすい。以上のことを踏まえ、qsaqさんには適宜修正・反論等をお願いしたい。
次の問題は、一般的でない名詞のキーワード登録について(これはqsaqさんだけにあてたものではなく、むしろ一般的な話)。1127見解によって名詞以外のキーワード登録の原則禁止が確認されたが、一般的でない名詞、作られた名詞についてはどう考えるか。「中絶天国」を日本の別名として使う言い方は、私は初めて聞いたし、そう一般的とは思えない。
キーワード「ナロ」というのがある。今回の騒動の発端となった「ナロる」を作った人が同じく登録したキーワードで、「ナローバンド」のことだそうだ。これも一般的とは言い難く、登録者以外が使うとも思えない(しかも、前提として「ナロる」という動詞の表現がまずあり、「ナロ」それ自体が名詞であると言うよりも「ナロる」の語幹であるから名詞という反射的効力によって名詞と主張しているように見える)。
問題なのは、私が「一般的」と言うのは「私が一般的だと思っている」ことでしかないということだ。世の中のすべてのことに通じている人はいないし、私がよくわからない分野においてはそのキーワードは「一般的」なのかもしれない。この辺の調整をすべきなのか、必要ないのか。
例によって結論はない。