小泉総理、開かずの踏切解消を指示

東京都内のJR中央線の高架化工事に伴い「開かずの踏切」状態が悪化し、事故やトラブルが相次いでいる問題で、小泉首相が18日までに、踏切のうえに橋梁(きょうりょう)を設置するなどの方法で周辺住民の不便を解消するよう国土交通省などに指示した。首相周辺によると、混乱状況を報道で知りトップダウンで決めたという。

トップダウンはいいんだが。
あくまでweb上の報道で、これがホントかどうかはわからない。選挙戦術としての「トップダウン指示」演出かもしれない。が、この報道内容が本当だとして。
一般的にこういう指示は、下のレベルでの取り扱いが非常にやっかいである。我々の大ボスたる内閣総理大臣の指示なので、これはなんとしても実現せねばならない。が、開かずの踏切がここだけとは限らない。ただ報道されないだけで、もっとひどい開かずの踏切・もっと危険な踏切があるかもしれない。その地元の人間が「うちにも対策をせよ」と言ってくる可能性は非常に高い。そりゃそうだ。たまたま総理が報道で知ったから対策が打たれる、なんてことだったら「うちもうちも」と声を上げ続けていればお金が落ちてくることになる。
しかしできることならとっくの昔にやっていることで、全部やる予算がないとか、事業者と資金面での調整がつかないとか、そういう諸々の事情のためにやっていないのだろう。
今回はおそらく財務省にも「予算面で相談に乗ってやれ」との指示が出ているだろうし、そうなると財務省だって表だっては反対しないだろうから実現するだろうけど、それじゃぁ他の開かずの踏切はどうするのか。
結局、国交省の役人が鉛筆を舐めて、いかにこの中央線の踏切が「他と違って」大変な問題か、という作文をし、予算をつけることになるのだろう。他のところから苦情が出ないように。異議申し立てが出ても「いや中央線はこれこれこういう理由で対策を打つ必要があったのです。おたくは違うでしょ」と言えるように。隙のない、完璧な論理で。
国会で聞かれたら政府参考人はどうやって答弁するんだろう。民主党某議員「…と朝日新聞の報道にありましたが、これは選挙をにらんだ小泉内閣の人気取りだったんじゃないんですか!行政がそんなのに関わっていいんですか!局長、答えてくださいよ!」局長「えー、本件につきましては、JR中央線でのトラブルの多発に鑑み臨時の措置として行ったものであり、確かに総理もご関心をお持ちの様子でしたが、最終的には政策的必要性を十分検討した上で措置したものであります」うーん微妙。