スラッシュドットジャパンにおける「総務省:政治資金収支報告書をネットで公開するが、印刷は不可」の巻

http://slashdot.jp/article.pl?sid=03/09/21/0959242&topic=89&mode=thread
元記事は以下のとおり。

今年度中にインターネットで全面公開される予定の政党や政治団体の2002年度分政治資金収支報告書(中央分)について総務省が、プリントアウト(印刷)や、ダウンロードしてパソコンにデータ保存ができない設定にする方針であることが18日分かった。同報告書の閲覧は、東京の総務省政治資金規正法に基づき無料で可能だが、コピーは、情報公開法に基づき住民が請求し、手数料とコピー代も必要。同省は「規正法では閲覧しか認めておらず、印刷ができればコピーを認めるのと同じ。現在の公開方法との整合性に配慮した」としている。 (時事通信

スラッシュドットは相変わらず質の高い議論が行われている。だいたい総務省や政治家がどんなことを思っているのか正確にトレースできているのではないか。
さて今回の総務省の決定の肝はまさに「現行の公開方法との整合性に配慮」の一点につきる。webやコンピュータが何もわかっていない課長クラスが部下に「おめぇ今までと違うのはいかんだろ」とか抜かしたに違いない。ディスプレイに映っている時点でコピーしてるっちゅうに。
んで、さらに情報公開を進めるなら。政治資金収支報告書もそもそも紙媒体でなく一定様式のcsvか何かで提出させて、それを公開すればよろしい。そうすれば加工が楽。それぐらいやらなきゃ。

さて、情報公開法による情報公開の申請手数料、現在は300円ですが、はっきり言ってこれは全く手数に見合いません(スラッシュドットではこれや複写手数料について高すぎる、「独立採算制かよ!」とのつっこみがあったが、独立採算でやろうと思ったら数倍に跳ね上がる)。情報公開は必要だし、そのためには手数料を下げるべきとの意見もありだが、しかしそのための人員は割けない。結局各課が資料を持っており、各課が手間をかけなければならないので、窓口だけ外部委託等しても(コスト削減については)意味がない。
本当に情報公開を徹底するのなら、まず各局に何人とか、各課に一人とかの割合で「資料収集・分類だけやる人」をおくべき。日常業務の片手間でやっていると整理がおろそかになるし、そもそも資料を隠すインセンティブが生じる。収集整理担当官は局内のありとあらゆる資料を強制的に回収し(方法要検討)、番号を振ってインデックスを作ってひたすら整理。んで、各課と収集整理担当官の協議によって非公開年限を設定し、それをすぎれば全面公開、と。全面公開するためには場所と人が必要だからまた金がいるなぁ。しかしそれは民主主義のコストか。
そもそ現行の情報公開法が、資料について「保存年限を過ぎれば原則破棄」としているのもおかしいような気がする。公文書館への移管というオプションもあるが、役所側が選択できるから、どうしても公開しない方向へと舵を切ってしまう。せめて「保存年限を過ぎたら原則公文書館へ移管」とすればいいのかも。