例の知的財産戦略本部の件に関連して。役所の事務官・技官人事

http://blog.melma.com/00089025/20040110020749
非常に参考になる議論だが、一点だけ。問題の荒井事務局長は特許庁長官をやっているが、このプロフィールを見て分かるように、彼は技官(理系)ではない。東大法学部卒の事務官である。
文化庁著作権課長は、岡本氏は技官だがその前の課長は事務官のようだ。
役所では、理系的なことを扱うから技官がそのポストに就く、というわけでは必ずしもない。荒井氏が特別なんじゃなくて、経産省特許庁長官は歴代事務官ポストのはず。
最近は枠が崩れているところもあるようだが、一般に課長補佐以上のポストについては事務官・技官の色分けがされていて(一部係長も含む)、基本的に事務官ポストに技官が就くことはなく、逆もまた然り(各省庁によって、あるいは各局によって違いはあるけど)。技術的なことを扱う課の長は技官であることが多いが、そうでないこともあり、またトップに近づけば近づくほど技官のポストは少なくなる。
事務官と技官は人事部局も違う。同じ人事課内でも違うラインが人事を扱っていたり、場合によっては「なんでそんな名前の課で人事やってるの?」というようなところで技官人事をやっていたりする(これが国土交通省だとさらに旧建設省、旧運輸省、旧国土庁のそれぞれの人事ラインがあったりして、もうめちゃくちゃである)。
理系的知識を要求されるポストに事務官が就くのはなんとも無茶なような気もするが、しかし各部局でそれぞれの知識(理系・文系関係なく)が要求されるのが役所だし、そしてそれまでのバックグラウンドと関係なく配属するのが役所の人事である。
今後公務員制度改革に伴って変わっていくとは思うけどね。変わらない…かなぁ。