国家公務員の守秘義務

http://slashdot.jp/journal.pl?op=display&uid=3718&id=163509にてvon_yosukeyanさんが指摘されている。
はるほちゃんの代理人が「守秘義務の解除を大臣に求める」というニュースを聞いたとき、私も「そんなことできるんかいな」と思った。大臣がなんと言おうと、内閣総理大臣がなんと言おうと解除できる性質のものではないのではないかと。だって相手が「守秘義務があるから」と信頼して役人に情報をくれるのに、それが大臣の一声で覆るようでは誰も役人に情報をくれなくなってしまう。これは致命的だ。
公団役員になってからのはるほちゃんに守秘義務があるかどうかわからないが、少なくとも建設省にいたときには国家公務員法の縛りにより守秘義務がかかっており、それはそれこそ「墓場まで」続くことになる。

(秘密を守る義務)

第百条  職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後といえども同様とする。

2  法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表するには、所轄庁の長(退職者については、その退職した官職又はこれに相当する官職の所轄庁の長)の許可を要する。

3  前項の許可は、法律又は政令の定める条件及び手続に係る場合を除いては、これを拒むことができない。

4  前三項の規定は、人事院で扱われる調査又は審理の際人事院から求められる情報に関しては、これを適用しない。何人も、人事院の権限によつて行われる調査又は審理に際して、秘密の又は公表を制限された情報を陳述し又は証言することを人事院から求められた場合には、何人からも許可を受ける必要がない。人事院が正式に要求した情報について、人事院に対して、陳述及び証言を行わなかつた者は、この法律の罰則の適用を受けなければならない。

はるほちゃん側が求めているのは2項に定める「所管庁の長の許可」なのだろう。しかしこの場合なんの「証人、鑑定人等」なんだろう。現在の状況はこれに当たらないのではないかしら。はるほちゃんが石原大臣や国交省の役人に「秘密」を言うのは守秘義務違反に当たらないような気がするんだけど。


しかし一方、刑事訴訟法においては、公務員に告発義務を課している。

第二百三十九条 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。

2 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。

あー「職務を行うことにより」の定義がわからん。確か非常に広く解釈をしていたような。
国家公務員法による守秘義務刑事訴訟法の告発義務、どちらが優先かと言うことが問題になりそうだが、私の詰まってない頭で考えるならば、告発義務の方が優先されそうである(大学で習ったような気がするのだが、さっぱり忘れた)。


とするならばだよ、はるほちゃんが政治家の黒い話を知っていて、しかもそれが汚職や入札の妨害等に当たると彼が判断するならば、当局に告発しなければならない(公団役員となってからの彼にその義務があるかどうかは不明だが)。これをもって石原大臣は「言いたいんなら言えば」(意訳)といったのかも(いや、絶対そこまで考えてないと思うが)。


「告発」=「世間に広く公表」ではないと思うので、公表により政治的に利用することができるかどうかといえば疑問だが、少なくともこういう義務もあるということで。

発言しない議員、できない議員

http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20031024#p03にての御指摘。
リンク先のhttp://www.geocities.jp/herasou/index.htmlを見ると、いくつか分類できそうだ。

  1. 補選当選間もない型
    • これはしょうがないと思う。
  2. 発言したくてもできない型
    • これもある程度はしょうがない。無所属議員は発言の機会が限られるので。しかし次の「やる気がない型」との区別は難しい。
  3. ホントにやる気がない型
    • これは救いようがない。
  4. 重鎮型
    • 重鎮は発言しないことによっても影響力を行使できる。

国会議員には国会の場に立たなくても内閣に質問できる「質問主意書」という便利な武器がある。以前このサイトでも長妻明議員の主意書について批判的に取り上げたことがあったが、しかし武器であることにはかわりはない。むしろきっちり質問してきっちり返答を得るという点ではこちらの方が便利かもしれない。質問主意書も考慮に入れるべきだ。


なお発言はしていてもどうにもならん議員というのは存在する。どことは言わないけど某社民党なんかは、議員が少ないもんで一人あたりの発言の機会は非常に多いのだが、まぁそれアレだ。